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宇宙開発史(4) ソユーズ、月面に到着せず-ソ連の有人月飛行計画はなぜ実現しなかったか [宇宙のロマン]

ルナ16号、月面から土を持ち帰る


 ソ連の有人月飛行計画はロケットの開発失敗(参照:実用化に至らなかった幻のN-1ロケット)から断念することを余儀なくされたのですが、アポロ11号によって”人類初の月面到着”という栄誉をさらわれっぱなしにできず、月から土を持って来るくらいのことなら、わざわざ多大な資金を使って有人宇宙船を送り込まなくても無人探査機で間に合う、と米国(西側陣営)に見せびらかさないばかりに、1970年9月12日にルナ16号を打ち上げ、「豊かの海」へ無事軟着陸させ月の土壌サンプルを地球に持ち帰ることに成功しました。
ソ連は、ルナ16号に引き続いて、二ヶ月後の11月20日にはルナ17号を打ち上げ、これも無事に「雨の海」に軟着陸させ、土壌サンプルを採集するとともに、初めて無人月面車ルノホート1号をバイコヌール宇宙基地からのリモートコントロール(遠隔操作)で走行させ月面探査を行いました。

 

 アポロ11号とルナ15号は同時間帯に月着陸一番乗りを目指していた
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しかし、当時、米国もその他の西側諸国も知らなかったのは、ルナ16号より先に、いや、正確に言うとアポロ11号より先に月から土を持って来る目的で打ち上げられたルナ15号という無人探査機があったということです。
ルナ15号が打ち上げられたのは7月13日、つまりアポロ11号より三日前にバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、17日には月周回軌道に達し、数回の軌道変更を行った後、20日に近月点16Kmの軌道に入りました。 この時、アポロ11号はすでに月周回軌道に達していおり、同日午後20時17分(UTC)にアポロ11号は「静かの海」へ無事着陸しました。
しかし、ルナ15号はまだ周回を続けており、予定ではアポロ着陸の2時間後くらいに軟着陸するはずでしたが、着陸予定地点のデータ不足から、さらに情報を得るために軌道滞在時間を18時間延長しました。
結局、この延長時間が、アポロ11号に人類初の月面到着と月の石(土壌)採集という二つの栄誉をもたらすことになってしまったのです。

ロシアの宇宙博物館に展示されているルナ16号のレプリカ

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しかし、ルナ15号が周回時間を延ばさずに… 続きを読む


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人類は料理でホモサピエンスに進化した [人類学]

” 料理する 故にわれ考える” 

という面白いタイトルの記事がある雑誌に載っていたのでここで紹介します。

この新学説を唱えているのは、ハーバード大学の人類学者であるリチャード・ランガム(Richard Wrangham)教授で、上述の記事は同教授が著した「Catching Fire: How Cooking Made Us Human」というタイトルの著書の紹介記事です。
 
 
 人類は火を使った料理を食べることによって進化した
 
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紹介記事の要約
 
 
人類はチンパンジーと共通の祖先から500~600万年前に別れたことはわかっているが、ゲノムの比較においては、人類とチンパンジーはわずか0.6パーセントしか違わないのに人類は別種のチンパンジーではなく、他の霊長類とは大きくかけはなれた素晴らしい能力を持つ脳の持ち主である。
古来より科学者や哲学者をして頭を悩ませてきた問いは、進化の途上において何が人類をして人類たらしめる原因となったのか、ということであった。 


                  リチャード・ランガム教授の新著
             Catching Fire: How Cooking Made Us Human
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この問いに対する回答は… 続きを読む


宇宙開発史(3) ”ヒューストン、こちら静かの基地、イーグルは着陸した!” [宇宙のロマン]

 前回は、ソ連(現在のロシア)政府が「ボスホート計画」につぐ「ソユーズ計画」を1964年8月に承認し、革命50周年にあたる1967年に有人月周回を、また1970年には有人月面着陸を目標としていたことを述べました。

近代宇宙開発の歴史を見る上で重要かつ忘れてはならないのは、宇宙開発事業というものは、ただ単に技術的にソ連(現ロシア)が優れている、いや米国だといった次元だけの問題でなく、政治的、経済的なウィイトが極めて大きい事業、すなわち、その国の宇宙開発政策・決定および宇宙開発事業への資金投入額によって、発展するか沈滞するかが決まってしまうということです。

 

初の月周回軌道飛行を成し遂げ帰還したゾンド5号(ソユーズ型無人宇宙船)
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ゾンド5号の軌道(クリックすると拡大します)
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この時期、ソ連の宇宙開発事業は… 続きを読む


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スペースシャトルのあとを継ぐのは… [宇宙のロマン]

  5月16日に米国フロリダのケネディ宇宙センターから打ち上げられ、様々な宇宙実験用機材や測定・探索用装置などを国際宇宙ステーション(ISS)に運んだスペースシャトル・エンデバー号は6月1日にケネディ宇宙センターに無事帰還し、最後のミッションを終えました。


エンデバー打ち上げの瞬間 (Credit: NASA)
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今回のエンデバー号のミッションで興味深い映像が公開されました。それは、宇宙ステーション(ISS)とドッキング(米国東部時間5月23日17時35分に行われた)している様子を撮影しためずらしい映像を公開しました。

国際宇宙ステーションとドッキング… 続きを読む


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愛は地球を救えるか- ”復活の日” [日本のSF作品]

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ヨーロッパでは病原性大腸菌「O-104」の感染拡大でたいへんな騒ぎです。

病原性大腸菌「O-104」(学名:Escherichia coli O104:H21、日本語名:腸管出血性大腸菌O-104。 別名:病原性大腸菌O-104)は、Weblio辞典によれば、「病原性大腸菌の一種。「O-157」「O-111」と同じ腸管出血性大腸菌であり、「O抗原」の差異によって区別されている。腸管出血性大腸菌O-104、O-157、O-111などは基本的な働きはおおむね同じであり、ベロ毒素を生産することによって大腸の粘液細胞を破壊・死滅させ、出血性の激しい下痢を引き起こし、腎臓の機能が低下する溶血性尿毒症症候群(HUS)などを併発させる。さらに、他の一般的な食中毒の原因菌と比べて、感染力が非常に強い点も共通している」とあり、6月7日現在までの「O-104」の感染者数は、米国を含む13カ国で1500人以上、死者22人となっています。

 

ハンブルグ市を発生源として…続きを読む


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宇宙開発史(2) 米ロの熾烈な宇宙開発競争 [宇宙のロマン]

 前回は人類初の地球周回宇宙飛行を果たしたボストーク1号とガガーリン中尉の話しをベースに書きましたが、今回は、このボストーク1号の前後に渡って宇宙開発史を顧みたいと思います。



米ソの宇宙開発競争


米国、ソビエト連邦(現在のロシア)とも、第二次大戦中にV2ロケットなどを開発したヴェルナー・フォン・ブラウンなどの優秀なドイツのロケット科学者をドイツの降伏後にそれぞれ自国へ連れて行き、ロケットの開発を進めました。

V2ミサイルは英国を恐怖の底に落とし入れた
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V2の発射を撮影した記録映画

 

  第2時大戦後、世界は米国を盟主とする資本主義・自由主義陣営(西側陣営とも呼ばれた)とソ連を盟主とする共産主義・社会主義陣営(東側陣営)に分かれ、一触即発の緊張した時代が続く冷戦時代に入りました。
両陣営とも、いかに自分たちの思想・主義体制が優れているかを相手陣営に対して宣伝するのに躍起になり、そのプロパガンダの有効な手段の一つとして使われたのが宇宙開発競争でした。
また、宇宙開発技術は、そのままスパイ衛星や大陸間弾道核ミサイルなどの技術において敵陣営より優位に立つことを可能とすると両陣営とも考えたため、宇宙開発はそれこそ凌ぎを削る激しいものとなりました。

フォン・ブラウンなどのドイツの優秀なロケット技術者の多くを… 続きを読む


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ギリシア神話の世界 ”タイタンの戦い” [シネマ&ビデオ]

 今回はギリシア神話の世界へどっぽり浸かれる作品『タイタンの戦い』(原題: Clash of the Titans)の話しです。

『タイタンの戦い』は、1981年にハリー・ハムリンが演ずるペルセウスで製作されたスペクタクル映画ですが、2010年には『アバター』や『ターミネーター4』に出演して一躍世界的スターとなったサム・ワーシントンが主役のリメイク版が制作され全世界で3億ドルを越える興行収入を出すヒット作品となっています。


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アンドロメダ星雲から宇宙の大規模構造まで [宇宙のロマン]

先週の半ば頃に欧州宇宙機関(ESA)がハーシェル宇宙望遠鏡と

XMMニュートン観測衛星によって撮影されたアンドロメダ銀河の画像を

4月27日に公開したというニュースをブラジル新聞のインターネット版で見ました。


アンドロメダ銀河(Image credit: ESA)
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アンドロメダ銀河はM31またはNGC224として知られている銀河でアンドロメダ座に位置し、

目視で確認できる渦巻銀河で、アンドロメダ星雲の通称で知られています。

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宇宙開発史(1) ガガーリンから50年 [宇宙のロマン]

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 人類が初めて宇宙飛行をしてから早くも50年を迎えました。

世界初の宇宙飛行は旧ソ連(現ロシア)のボストーク1号(Восток-1)によって行われ、ユーリ・アレクセーエヴィチ・ガガーリン中尉(当時27歳)の搭乗したボストーク1号はチュラタム(レニンスク)近郊の発射基地からボストークロケット(R-7ミサイルの改良型)によって1961年4月12日に打ち上げられました。(注:一般的に発射場所はバイコヌールと言われているがこれは間違い)


ボストーク1号発射の瞬間

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カプセル内のガガーリン中尉
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ボストーク1号とガガーリン

 ボストーク1号は181~327キロメートルの高度を楕円軌道飛行し、1時間48分におよぶ飛行のあと、アフリカ西岸アンゴラ上空で42分間逆噴射を行い減速し、カプセルから射出シートによって高度7千メートルで脱出しパラシュートで無事帰還しました。飛行距離はわずか3万8620Kmという短いものでしたが、人類初の宇宙飛行という偉業達成に貢献したガガーリンは、なんと宇宙飛行中に二階級特進し、空軍少佐となってモスクワで行われた盛大なパレードに参加しました。
この異例ともいえる二階級特進は、実はソ連の首脳部がガガーリン中尉の生還率は極めて低いと予想していたため、殉死した将校にあたえられる特進を承認していたというのが真相だとか。

ボストーク1号を打ち上げたA1ロケット

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バイコヌール宇宙基地の所在地

大きな地図で見る

宇宙からの帰還後、ガガーリンはソビエトの英雄として共産主義の宣伝のため世界各地を訪問しましたが、ガガーリンは激変した環境にうまく適応できなかったようで飲酒をはじめ、精神的にも問題を抱えるようになり、1961年には自傷行為までを起こしています。

その後、ガガーリンは… 続きを読む


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火星探検-Mission to Mars [SF映画]

  映画『ミッション・トゥ・マーズ』(Mission to Mars、2000年 米国)は、人類初の火星探査旅行をテーマーにしたSF作品です。

NASAが全面協力したというだけあって、『2001年-宇宙の旅』に劣らないリアリティで観るものを引きずり込みます。
また、さすがにブライアン・デ・パルマ監督が手がけた作品だけあって、オープニングからエンディングまで見るものをグイグイ引きずり込みます。
でも、どうやら興行的にはあまりヒットしなかったようで、映画関係サイトなどでもあまり大きく取り扱われていませんね...


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ミッション・トゥ・マーズ(Mission to Mars)製作スタッフ

  監督   ブライアン・デ・パルマ
  製作総指揮 サム・マーサー
  製作  トム・ジェイコブソン
  脚本 グラハム・ヨスト
         ジム・トーマス
         ジョン・トーマス
  出演者  ゲイリー・シニーズ
               ティム・ロビンス
  音楽 エンニオ・モリコーネ
  撮影 ピーター・シャシスキー
    配給    ブエナビスタ
    公開   2000年3月10日(米国)


 ストリー

西暦2020年6月、テキサス州で第一次火星探査計画のクルーたちの送別会が行われていた。
クルーに選ばれたのはルークを含む4人の科学者達。本来ならジム(ゲイリー・シニーズ)もその中に選ばれていた筈だった。だがジムは、その直前に、妻で同僚でもあり、そしてもっとも火星に行く事を熱望していたマギー(キム・デラニー)を病気で失うという出来事に見舞われて意欲を失い、自らクルー就任を辞退して地球周回軌道上の宇宙ステーションでルークたちのバックアップを務める事になった。ジムやマギーとも親しかったルーク(ドン・チードル)はその事を気にかけつつも火星に向かった。


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2030年、人類初の火星有人調査が… 続きを読む


20億個の地球 [宇宙のロマン]

宇宙にはときたま我々の想像を絶するような事象や現象がおきます。 

3月23日にNASAが発表したMWC922星雲がまさしくそれで、なんと四角い形状をしています。 


レッドスクエア星雲と呼ばれるMWC922 
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  なんとも摩訶不思議な形状をした星雲ですが、この形状のため「レッドスクエア星雲」と呼ばれているMWC922は2007年に発見されたもので、2007年の4月に発見が発表されています。今回の写真はパロマ山にあるヘール望遠鏡とハワイのマウナケア山にあるケック天文台の2号望遠鏡で赤外線撮影されたものを合成したものです(そのため赤色に写っている)。MWC922星雲がなぜ、このような形状をしているかという理由について、現在のところ考えられている仮説は、同星雲の中心部分にある恒星、または恒星群が進化の最終段階に円錐状にガスを放出しているというものだそうですが、天文学者でなくても頭をひねりたくなる不思議な星雲ですね。 


  パロマー山天文台のヘール望遠鏡
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 ハワイのマウナケア山頂にあるケック望遠鏡 
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 もう一つのビッグニュースは、銀河宇宙には約20億の地球型惑星がある(らしい)という発表がされたことです。これはケプラー宇宙望遠鏡が得たデーターが今年2月に発表されたのをベースに米国のJPL(ジェット推進研究所)の専門家たちによって解析・研究され、その結果が今回発表されたものですが、それによると太陽系が属するわれわれの天の川銀河の中にある太陽型恒星のうち、1,4 ~ 2,7パーセントが地球の大きさの0、8倍から2倍の大きさの惑星をもっているとの推測をしています。 


      欧州宇宙機関の打ち上げた宇宙望遠鏡で初めて発見された地球型系外惑星CoRoT-7bの想像図 
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 そしてその多くはハビタブルゾーン(生命居住可能領域)にあり、生命の発生・進化に不可欠な水が存在すると考えられています。JPLの発表は科学者たちに大きな希望をあたえました。NASA(北米宇宙局)の研究チームのチーフであるJosé Catanzarite博士は、「天の川銀河に地球型の惑星がこのように多くあるということは、その中には生命が存在する惑星がある可能性が極めて大きくなる、いや、中には知的生命が存在するものもあるかも知れない」と語っています。 

 距 離 

しかしながら、我々の太陽系にもっとも近い距離にある太陽型恒星100個(いずれも数十光年単位の距離)のうち、地球型惑星をかかえていると推測される星はわずか二つだけ。 

 しかし、最近、天文・天体物理学の専門誌であるアストロフィジカルジャーナルに記載された論文によれば、太陽系”近隣”に存在する二重星の数は(今後調査が進むにつれて)さらに増える可能性があると予測しているとか(この意味はよく分かりませんが、二重星の方が地球型惑星を多くともなっているということでしょうね...)。 


           太陽系外惑星に威力を発揮するケプラー宇宙望遠鏡
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Catanzarite博士は、赤色巨星などの種類の星も地球型惑星をもっている可能性があることを指摘しています。  
赤色巨星の場合は、この種の星は燃料と成る水素ガスをすでにほとんど燃やし尽くしているため、望遠鏡などによる発見はより困難になります。また、他の研究者たちは、ケプラー宇宙望遠鏡のように主星の輝きの変化から地球型惑星の存在をキャッチするのではなく、重力の変化から地球型惑星を発見しようと調査を進めています。 

どちらにせよ、銀河の中に存在する赤色巨星の数は太陽型恒星の数よりずっと多いため、地球型惑星の数はさらに増えることになりそうです。 

 天の川銀河だけで20億個もの地球型惑星があるとして、宇宙には約500億~1000億もの銀河があると考えられていますので、単純計算でも1兆~20兆の地球型惑星が宇宙にあることになります。そして、この中には必ず高等知的生命が存在する地球型惑星が何十億とあることでしょう。

私たちは”孤独な地球人”ではないのです。

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知られざる南アメリカ解放の歴史 [歴史]

   サブタイトル: 南アメリカ諸国独立の影の立役者

  
南アメリカの地図を見ると、

一見、アフリカ大陸の地図のようにゴチャゴチャと十数ヵ国があるのが分かります。


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ここでちょっと南米を構成する国々とそれぞれの国で使われている公用語を見てみると


                 国名                公用語  
              アルゼンチン (Argentina) スペイン語
              ウルグアイ (Uruguay)    スペイン語
              エクアドル (Ecuador)     スペイン語
              ガイアナ (Guyana)      スペイン語
              コロンビア (Colombia)    スペイン語
              チリ (Chile)             スペイン語
              パラグアイ (Paraguay)    スペイン語
              ペルー (Peru)          スペイン語
              ベネズエラ (Venezuela)   スペイン語
              ボリビア (Bolivia)        スペイン語
              スリナム (Surinam)      オランダ語
              ブラジル (Brasil)        ポルトガル語



上記リストを見て一目瞭然なように、スペイン語を公用語としている国が11ヵ国もあるのに対して、ポルトガル語を公用語としている国はたった一国、ブラジルだけしかありません。

注)オランダ語を公用語とするスリナムやフランス語が公用語のフランス領ギアナ(Guyane française)なども存在しますが、
  それぞれの言語を使用する住民数は南アフリカ全体の住民数から比較して極めて少ないので今回のテーマーからは除きます。

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このように、南アメリカ大陸に圧倒的にスペイン語を公用語とする国が多いのは、その昔、スペインがコンキスタドール(スペイン語で「征服者」の意味)を数多く送り込んだから、スペイン語の国が多いんだな”と思われた方は残念ながら間違っています。
それを説明するためには、なぜ南アメリカ大陸の半分を占めるブラジル一国だけがポルトガル語なのか、という話から始めなければなりません。


1807年のフランス・ナポレオン軍のポルトガル侵略から... 続きを読む


ボイジャー1号とスタートレック [宇宙のロマン]

  1977年にNASAが打ち上げたボイジャー1号が太陽圏の果てに達しました。 

秒速約17.07km(時速6万キロ以上)という超スピードで人類が達したことのない星間空間へ進みつつあります。


 星間空間を進むボイジャー1号の想像図
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  ボイジャー1号は、2010年12月16日GMT1時55分現在、地球から174億1260万6446 Km 離れたところを飛行中です。 詳しい情報はVoyager web siteで得られます。 


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アポロ13号の奇跡 [SF映画]

「Lost Moon」といっても知らない人がいると思いますが、これは人類の宇宙開拓史上に残る、「アポロ13号」の奇跡的ともいえる生還劇を綴った小説の原題(和訳は”失われた月”)で、映画好きな人ならすぐに『アポロ13』を思い出すと思います。
この作品は実際のアポロ13号の船長であったジム・ラヴェルがジェフリー・クルーガーと共著で著したもので、これが映画『アポロ13』の原作となったものです。


ジム・ラヴェル/ジェフリー・クルーガー共著の「Lost Moon」
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アポロ13号の生還ドラマ


アポロ13号は、「アポロ計画」で3回目の月着陸を目標として1970年4月17日にケネディ宇宙センター第39複合発射施設から、米中部時間の13時13分に発射されました。



アポロ13号のクルーは…続きを読む


タグ:宇宙

火星植民地のパイオニアになろう! [宇宙のロマン]

 宇宙モノの話題にかなり関心をもっているLobyが今日見た衝撃的なニュースとは…

そう、月の次の目標とされている火星への有人飛行計画で、NASA(米国航空宇宙局)が帰還を考慮しない有人飛行を計画している、というものでした

思わず、エッ、エッ、エ~ッ!!!

と叫んでしまいました。


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  話題の発端は、ワシントン州立大学の地質学者Dirk Schulze-Makuch教授とアリゾナ州立大学の宇宙学者Paul Davies教授の二人が先週のJournal of Cosmology紙に掲載した、大胆すぎるともいえる火星有人飛行計画です。

火星へ人間を送り込む計画は... 続きを読む


第二の地球はすぐそこに!? [宇宙のロマン]

  カリフォルニア大学の天文学者たちで構成されているプラネットハンター・チームは、恒星の周囲の「生命居住可能領域」と呼ばれる領域に位置する系外惑星を発見したと発表。

グリーズ581gの想像図 Credit:Lynette Cook/UCSC

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 この星は赤色わい星グリーズ581(Gliese 581)」の惑星で、「グリーズ581g(Gliese 581g)」と名付けられました。生命居住可能領域とは、生命の存在に必要な水が液体の形で存在することが可能な温度を維持できる領域気で、周知のように水は恒星からの距離が近くても遠くても、(生命が発生できる)液体の形で存在することはできません。この点においてグリーズ581g は、地球が太陽から適度な距離にあるのと同様に、恒星から適度な距離に位置しているのです。

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銀河鉄道 999 [日本のSF作品]

  銀河鉄道と聞いて、すぐに『銀河鉄道999』を思い浮かべた人も多いと思います。 

それほどこの松本零士のSF漫画は有名です。 
ということで銀河鉄道ついでに今回は『銀河鉄道999』特集です。 
同作品は1977年~1981年にかけて「少年キング」(通称アンドロメダ編)に掲載されたSF漫画です(注:1996年からの新作は通称“エターナル編”と呼ばれている)。

宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を読んだ、または劇場用作品を観た方はすぐに『銀河鉄道の夜』と『銀河鉄道999』の類似性に気がつくように、『銀河鉄道999』は『銀河鉄道の夜』をベースとしていますが似ているのは銀河宇宙を列車で旅行するというアイデアだけで、ストリーはまったく独自のものです。


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銀河超特急999号のモデルとなったC62蒸気機関車
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タグ:銀河鉄道999

銀河鉄道の夜 [日本のSF作品]

  今回は『銀河鉄道の夜』の紹介です。

宮沢賢治(1896- 1933)の最高傑作といわれる本作品は幻想小説であってSFではないという人もいるようですが、LobyがSFと決めたらSFになるのです[あせあせ(飛び散る汗)]
ちなみに、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』は知らないけど、松本零士の『銀河鉄道999』は知っているという人もいますけど、『銀河鉄道999』は『銀河鉄道の夜』をベースにして創作されたことは周知の事実です。『銀河鉄道999』については後ほど取り上げるとして、まずは『『銀河鉄道の夜』の紹介です。


銀河は星の集まり
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主人公 ジョバンニ

孤独で空想好きな少年。歳は10歳~12歳?父親は漁に出たまま長く帰って来ない。家庭は貧しく母親は病気で寝込んでいるので、朝は新聞配達、放課後は活版所で活字拾いのアルバイトをしている。近所の子供たちは父親のことでジョバンニをからかったりする。近くに住む姉がいて料理を作ってくれたりする。唯唯一の親友は同級生のカムパネルラ。 ジョバンニとカムパネルラの父親同士も親友だった。ジョバンニとともに銀河鉄道に乗り込み共に旅をする。

あらすじ

学校の授業で 銀河系の仕組みについての勉強で、天の川について先生に質問されたジョバンニは、答えを知りながら答えることができません。次に指されたカムパネルラもジョバンニをおもばかってか答えません。

あらすじの続きを読む


火星に生物? 有人火星飛行の実現はいつに? [宇宙のロマン]

火星に生物がいた!

と言っても、H.G.ウェルズが「宇宙戦争(The War of the Worlds-1898年)」で描いた、例のタコみたいな火星人ではありません。

H.G.ウェルズが描いた火星人
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火星に果たして生命は存在するのか?
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   BBCニュースによると、メキシコの科学者グループは、1976年にNASAが火星に送りこんだ探査機(バイキング1号、2号)による火星地表サンプル検査結果による”火星に生命はいない”という結論は間違っている、と発表しているそうです。

 

バイキング探査機の話しはかなり前のことなので、少々年配の方でないと記憶にないと思いますが、この二つの火星探査機はランダー(軟着陸部分)を火星表面に降下し、各種測定装置によって大気構成などの測定を行うとともに地表サンプルを採集し炭素に富んだ分子の存在― つまり生命の有無を調査しましたが結果は”無”であったため、火星には生命は存在しないという結論に達したものです。
 

バイキング・ランダーによる火星調査
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  しかし、メキシコ国立大学の科学者グループはバイキングのランダーは着陸地点に存在したかも知れない生命の存在を示す物質(炭素に富んだ分子)は着陸噴射により破壊されてしまった可能性があると主張しており、その証拠として同じくNASAが2008年に火星に送りこんだフェニクス・マーズランダーは火星北極地域の地表に塩素をふんだんに含んだ過塩素酸基(perchlorate)の存在を発見したことを挙げています。

このフェニクス・マースランダーの発見に基づいて、メキシコの科学者チームは”過塩素酸がバイキング・ランダーの着陸地点にも存在した”と仮定して着陸シュミレーションを行い、地表がランダーの逆噴射ガスで熱せられたのと同じように熱したところ化学反応により、二酸化炭酸ガス(CO2)、クロロメタン(Chloromethane)、ジクロロメタン(Dichloromethane)が発生。

そしてこれらの一連の化学反応は、地表の有機物質をすべて破壊し尽くしただけでなく過塩素酸をも破壊してしまったのです。これらのシュミレーションは、火星地表にもっとも似た環境であると思われるメキシコのアタカマ砂漠で行われました。


      フェニクス・マーズランダーは過塩素酸基の存在を発見 
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火星に似た環境であるといわれるアタカマ砂漠
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米航空宇宙局(NASA)のエイムズ研究所の宇宙生物学者、クリス・マッケイ氏は、「メキシコで行われた実験結果は、火星に生命が存在するかどうかといった根本的な問いに対しての回答にはならないが、我々はどのよな方法で生命の存在を確認すべきかという問いに対しての回答になる」とコメントしています。マッケイ氏は有機物は生命体をその根源とするものと非生命体を根源するものがあり、隕石などにも有機物が発見されると指摘しています。(では、隕石の有機物はどこから来たのか、というニワトリと卵のような議論になりますね)

過塩素酸は塩素と酸素からなる分子であり、火星地表に数十億年の間存在し続けたかも知れず、ランダーの逆噴射ガスによって活性化(この表現が正しいかどうか分かりませんが)し、地表に存在した全ての有機物を破壊したかも知れないのです。
そしてNASAの科学者たちがバイキング・ランダーから送信されてきた火星地表サンプルの解析データーの中に塩素を含む有機物を発見したとき、彼らはランダーに積載されていたクリーニング液(測定装置などの?)が漏れて地表を汚染したと勘違いしたかも知れないのです。

現在のところ、火星表面に存在する有機物は火星で合成されたものか、または他の天体から隕石によって火星に運ばれたものか判明していません。それは来年(2011年)にNASAが打ち上げを予定しているマーズ・サイエンス・ラボラトリーによる調査結果を待つしかありません。

マーズ・サイエンス・ラボラトリーは広範囲にわたって地質などを調査する能力をもつ
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スター・ウォーズ 雑学編 [SF映画]

  たかがスター・ウォーズ、されどスター・ウォーズですね。

一回で書き上げるつもりが三回になってしまいました[たらーっ(汗)]
でも今回(こそ?)は最終回ですのでご辛抱して読んでくださいね。

さて、スター・ウォーズ特集、今回は雑学偏です。


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スター・ウォーズが生まれるまで

『スター・ウォーズ』は周知のように米国の「20世紀FOX」によって配給された作品ですが、最初、20世紀FOXは(正確にはどの映画スタジオも)映画化に関心を見せませんでした。それは最初にも書いたように、SF映画なんて当時は二流のSFマニア向け映画だと観られていたからです。


    オビ・ワン役のアレック・ギネスとルーカス               デス・スターの模型を見るルーカス
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   そのルーカスのアイデア(脚本)を支持し、20世紀FOXが『スター・ウォーズ』を制作するように努力したのが、当時、同社の重役だったアラン・ラッド・Jrです。 かくしてルーカスは『スター・ウォーズ』の制作を開始しますが、あまりにも特撮や音響装置などに凝り過ぎて金を使いすぎたため制作費がすぐに底をついてしまいます。
20世紀FOXは当初からあまり乗り気でなかったこともあり、『スター・ウォーズ』の制作打切りを考えますが、アラン・ラッド・Jrが制作続行を主張したおかげで制作費を大きくオーバーしながらもようやく完成しました(このため後日、アラン・ラッドはFOXを辞めることになる)。
ルーカス自身も当時、日本円にして5千万円ほどであった監督料をFOXに返上するなどの経費軽減努力をしています。その代わり、ルーカスはスター・ウォーズに関するマーチャンダイジングの(商品化権利)を20世紀FOXに要求しました。
『スター・ウォーズ』はようやく完成したものの、制作時における心身の苦労(FOXからのプレッシャーやブレーンとの意見の対立などによるストレス)でルーカスは疲れ果ててしまい、それに加えて『スター・ウォーズ』は興行的に失敗作だとの前評判に耐えれず公開を待たずにルーカスはハワイに逃げていってしまいます。
結果的には『スター・ウォーズ』は大ヒットし、それに便乗して「スター・ウォーズ関連商品」も大ヒットし、ルーカスは莫大な収入を得ることになりました。マーチャンダイジングによる収益はスター・ウォーズ全6作(特別篇、ビデオ、DVD収入を含む)よりもはるかに上回る結果となったと言われています。

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これにより、ルーカスは以後のスター・ウォーズ・シリーズを自己資金で制作することが可能となります。
しかし、実際は第二作(エピソードV)でもルーカスは資金作りでけっこう苦労しているのですが、20世紀FOXとのトラブルは続きます。このときののトラブルからFOXに嫌気がさし、後に『インディアナ・ジョーンズ』を制作するときは20世紀FOXを見限り、パラマウントと契約をしました。『インディアナ・ジョーンズ』も興行的に大ヒットし、20世紀FOXは臍を噛むことになりますが、インディアナ・ジョーンズの監督をしたスティーブン・スピルバーグとはルーカスが逃避したハワイで知り合い懇意になったといいますから、人生、何が幸運をもたらすか分かりませんね。。。


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スター・ウォーズのポスター

1980年に公開された『スター・ウォーズ・帝国の逆襲(エピソードV)』の世界共通ポスターのイラストを担当したのは生頼範義(おうらい・のりよし)です。さすが生頼氏、すばらしいペンタッチですね。


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スター・ウォーズの世界 スペースシップ編 [SF映画]


『2001年 宇宙の旅』との比較

正確には『2001年宇宙の旅』との比較 and/or 『スター・ウォーズ』の非科学性の検証(?)です[たらーっ(汗)] 
先にも述べたように、『スター・ウォーズ』と『2001年 宇宙の旅』の両作品は、近代SF映画の双璧を成すエポックメーキング的な大作ですが、『2001年 宇宙の旅』が徹底的に科学的考証に耐え得る作品を目指したのに対して、『スター・ウォーズ』の方はとにかく面白く格好よければいいという考えに立って制作されたものなので科学的に見るとおかしなシーンにお目にかかります。以下はその例です。


宇宙空間では音は聞こえないはずだが、SWでは壮絶な爆発音が聞けます
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[1] 宇宙空間での先頭シーンではレーザー砲の発射音や宇宙船の爆発音が出ます。宇宙空間には空気がないため、音を伝える媒体がないので音が聞こえないことは前回にこのブログ「2001年 宇宙の旅 A Space Odyssey」で説明したとおりです。


[2] エピソードV (第二作)でハンソロたちを乗せたファルコン号が帝国宇宙船の追撃をふり切り、一時的に着陸した小惑星の洞窟内で船外に出るときに、防毒マスクみたいな呼吸装置だけをつける。大気もないような小さな惑星では毒ガスどころか酸素そのものがありません。

[3] 同じく、その洞窟で洞窟の内部だと思っていたのは宇宙の怪物スペース・スラッグだった(だから怪物の体内に有毒ガスがあった?)。間一髪で怪物にファルコン号が飲み込まれる前に脱出したけど、あんな巨大な怪物は何を食って生きているのだろう?小惑星は大気がないようなので餌になる他の生物もいないはず。また大気がないから怪物も呼吸ができない→当然、体内にも酸素などないはず。

[4] スター・ウォーズに登場する宇宙船はその殆どがハイパードライブ(超光速航法)で宇宙空間を航行するが、アインシュタインの相対性理論によれば、光速に近いスピードで移動するものはほとんど時間が経過しなくなると定規していますので、光速の場合は時間の経過がストップするので歳をとらなくなり、ハン・ソロが操縦するファルコン号のように光速を超えるスピードだったら… 歳が若返る?まあ、スター・ウォーズは科学理論、現実を無視したSFなのでみんな同じように歳をとるようです[たらーっ(汗)]

[5] アナキンとパドメの年齢差は、資料によればパドメが初めてアナキンに会った時、アナキンは10歳でパドメは15歳(一説では9歳と14歳)だったそうですが、なぜかアナキンだけが成長して大人になっていく感じがするのは私だけでしょうか? ちなみにアナキンとパドメが結婚するのは初めて会ってから10年後なのですが…


パドメは姉さん女房?
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スター・ウォーズの世界 [SF映画]

遠い昔、はるかかなたの
銀河系で・・・ 


エピソード4
新たなる希望

時は内乱の嵐が吹き荒れるさなか
凶悪な銀河帝国の支配に対し
反乱軍の宇宙艦隊は秘密基地から
奇襲攻撃を仕掛け、はじめての勝利を
手にした。

その戦闘の間に、反乱軍のスパイは
帝国の究極兵器に関する秘密の
設計図を盗み出すことに成功した。
それは「デス・スター」と呼ばれ
惑星を丸ごと粉砕できる破壊力を
備えた恐るべき究極の最終兵器、
死の惑星だった。

邪悪な帝国の手先どもに追われ
ながらも、レイア姫は自らの宇宙船を
駆って、盗み出した設計図を携え
故郷の星への道を急いでいた。
この設計図こそが、人民を救い
再び銀河に自由を取り戻すための
鍵となるのだ・・・


 
  このは映画『スター・ウォーズ』を観られた方は誰でもよく覚えておられると思う、オープニングに流れる物語の紹介文です。オープニング・ロールと呼ぶようですが、上述のはエピソードIV(シリーズ最初の作品)のものです。
 
今回は『スター・ウォーズ(Star Wars)』(米国1977年)特集です。

前にこのブログで取り上げた『2001年 宇宙の旅』は、よほどのSFマニアでないとよい評価をあたえないのに対して、『スター・ウォーズ』の方は万人向けの娯楽大作であり、1977年の公開時には大ヒットとなり、以後6作制作されるわけですが子供から高齢層という幅広いファンを世界中にもつ人気SF映画となりました。
この作品が映画界にあたえた影響は大きく、『2001年 宇宙の旅』同様に映画史を塗り替えたと言っても過言ではないでしょう。『スター・ウォーズ』の功績は、それまでB級映画、あるいはマニア向けの映画としか見られてなかったSF映画に対する評価を一変したことにあります。


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『スター・ウォーズ』は、同作品の原作者であり、初作の監督・制作総指揮をしたジョージ・ルーカスを、トップクラスの監督に成し上げ、たまたま彼の友人でほとんど無名に近かった俳優であったハリソン・フォードを一躍大スターにした作品であることでも有名です。


                 スター・ウォーズ・エピソードIV                 ジョージ・ルーカス 
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日本語のルーツを求めて Part 4 [探求]

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  今まで3回に分けて見てきた「日本語のルーツ」を求める旅も今回が最終回です。
難解な内容にもかかわらず根気よく読んでくださった皆様にお礼を申し上げます。

  さて、日本のお米と古代タミル地方のお米が同じような丸い米であったということを見たあとは、民族につきものの行事を見ましょう。 

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日本語のルーツを求めて Part 3 [探求]

 
稲作の技術をもつ人たちが日本に渡って来たのは紀元前10世紀ころと言われている
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    前回の続きで少々難しい日本語とタミル語の単語の比較です。
    もう少し辛抱して読んでくださいね。

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日本語のルーツを求めて Part 2 [探求]

前回は中国語が文法的、発音の点から日本語の祖先語ではないということについて述べました。
そして朝鮮語が文法的には日本語に類似してはいるものの、単語の対応がない(正確に言えば少なすぎる)ことから日本語からは遠い言語であるとの結論に達しました。
朝鮮語が含まれるアルタイ語には他にも、ツングース諸語(満州語、ウィルタ語など)、モンゴル諸語(モンゴル語、ブリヤート語など)、テュルク諸語(トルコ語、ウズベク語、カザフ語など)などがあります。
しかし、これらの言語も”単語の対応”がないことから日本語の祖先候補から除外するしかありません。

さて、日本近辺に日本語の源流らしいものが見つからないとすれば、ちょっと足を伸ばして少し離れたところを見なければなりません。


日本語は果たして海を渡ってきたのだろうか
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アルタイ語圏 (Wikipediaより)
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ドラヴィダ語

そこで言語研究者たちはインド南部~スリランカ東北部などの地域で使われているドラヴィダ言語に目をつけました。 ドラヴィダ語は基本的にはアルタイ語と同じ文法の使い方をする言語です。

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日本語のルーツを求めて Part 1 [探求]

  誰でも子供の頃、「ねえママ、ボクはどこから生まれたの?」とか
夜空の星や月を見て、ウサギさんといっしょに餅つきをしている自分を想像したり、星の世界はどんなだろうと夢見たりしたと思います。

同じように、“私たちが使っている日本語って素晴らしい言語だと思うけど、いったいどこで生まれたのだろう?”と思った方も少なくないと思います。
好奇心の強いLobyもかなり以前からそのような疑問を持っていましたが、忙しさにかまけてなかなか適当な本を探す時間もないまま過ごしてきました。
あるとき(2年ほど前)、雑誌で新刊批評を読んでいて『日本語はどこから来たのか』(大野 晋 中公文庫)が紹介されているのを見て早速買い求めました。


いにしえより日本人は自然、季節、愛、別れ、などを歌にして万葉集などにとどめてきた

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著者の大野 晋氏(1919年-2008年)は、国語学者、文学博士であり、学習院大学名誉教授。古代日本語の音韻、表記、語彙、文法、日本語の起源、日本人の思考様式など幅広い業績を残した方です。

       国語学者 大野晋氏  と 同氏の著「日本語はどこからきたのか」
  
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  もう読まれた方もいるかも知れませんが、たいへん興味深い内容なので私なりのコメント(大野先生に恐れ多いですけど)を加えながら紹介したいと思います。

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2001年 -宇宙の旅(A Space Odyssey) [SF映画]

今日は、Lobyが大好きな外国の作品、『2001年宇宙の旅』(原題:, 2001: A Space Odyssey)の紹介です。2001年 宇宙の旅-原作者原作はかの有名なSF作家、アーサーC.クラークのものでそれを巨匠スタンリー・キューブリックが1968年に映画化したものです。

アーサーC.クラークについてはいまさら説明するまでもなく、20世紀を代表するSF作家の一人であり、科学解説者としても著名です。クラークは惜しくも2008年に亡くなりましたが、『宇宙の旅』シリーズは今回取り上げる『2001年 宇宙の旅』のほか、『2010年 宇宙の旅』(1984年映画化) 、『2061年宇宙の旅』、『3001年終局への旅』 の3篇があり全部で4篇あります。
キューブリック監督は『時計じかけのオレンジ』(1971年)や『博士の異常な愛』(1964年)などの作品で有名ですが、この映画の巨匠も残念ながら1999年に亡くなっています。
『2001年宇宙の旅』は、正しくはアーサーC.クラークとスタンリー・キューブリックの共同制作なのですが、ストリーは当然、クラークが書いています。『2001年宇宙の旅』のベースとなったのは同じクラークの短編 『The Sentinel』(和訳は「見張り」、または「前哨」)であり、私は読んでいませんが人類発生以前の時代から月から地球を観察すべく置かれていた未知の物体の話しです。このストリーを発展させて映画化目的で製作されたのが『2001年宇宙の旅』というわけです。したがって、『2001年宇宙の旅』の小説版は、映画をベースにアーサー・クラークが後ほど書いたものであり、今回は映画版の『2001年宇宙の旅』について書きます。  

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『2001年宇宙の旅』は発表当時、その作品の緻密さ、リアリティ、科学的考証の素晴らしさで強烈なインパクトをあたえました。 Lobyに言わせれば、本作品はSF史上に残る名作であり、遠くない将来に”SF映画の古典”と称されることになるであろうと思っています。



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ジュールベルヌの海底2万マイルと潜水艦の歴史 [海外のSF小説]

今回はジュール・ヴェルヌの名作、『海底二万海里』特集です。
ジュール・ヴェルヌ(1828年 - 1905)はフランス生まれのSF作家で、イギリスのH・G ウェルスとともに「SFの父」と呼称されるSF大家です。
ヴェルヌの作品では『海底二万海里』のほかに『八十日間世界一周』や『月世界旅行』が有名です。

 ジュール・ヴェルヌ           『海底二万海里』原書表紙
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『海底二万海里』(原題:Vingt mille lieues sous les mers)はネモ船長が指揮する潜水艦「ノーチラス号」の冒険をつづったものですが、いつ読んでも面白い作品です。ちなみに原作は1870年に発表されています。『海底二万里』の和訳は、現在までに8作出版されており、これを見ただけでも、いかに同作品が日本において人気があるかが分かるというものです。

海底2万マイル(加藤まさし訳)青い鳥文庫
海底二万里(私市保彦訳)岩波少年文庫
海底二万海里(花輪莞爾訳)角川文庫
海底二万海里(清水正和訳)福音館古典童話シリーズ 原書の挿絵を収録
海底二万マイル(南本史訳)ポプラポケット文庫
海底二万里(朝比奈美知子訳)岩波文庫:原書の挿絵を収録
海底二万里(荒川浩充訳)創元SF文庫
海底二万リーグ(村上啓夫訳)ハヤカワ・SF・シリーズ
                           (Wikipediaより引用)



今回は『海底二万海里』についてのお話しをしながら同時に潜水艦の歴史についても少々触れたいと思います。

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太陽の1000万倍の明るさの巨大恒星 [宇宙のロマン]

 宇宙の神秘については、観測手段が進化・向上するにしたがって次々に新しい発見、データーが得られていますが、今回、欧州南天天文台(ESO)が発表したのは、観測史上最大の巨大恒星で質量はなんと太陽の265倍!

南米チリにあるESOの望遠鏡VLTで、天の川銀河の隣にある大マゼラン雲のタランチュラ星雲を観測中に発見されたもので、地球から16万5千光年の距離にある若い星団内に、太陽の数百万倍の明るさを放つ星が複数見つかっているそうです。

今回の発見は南米チリのアタカマ砂漠にあるVery Large Telescope (超大型望遠鏡VLT)の観測によって得られた。
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それらの星の中でもっとも明るいのが太陽の265倍の質量をもち、1000万倍の明るさをもつ恒星で、R136a1と名付けられたこの星は約100万年前に誕生したときはなんと太陽の320倍の質量があったと推測されています。
R136a1の大きさは太陽の数十倍で、大きさだけなら、オリオン座のベテルギウスの赤色超巨星は太陽の大きさの1千倍ほどあるけど、重さは数十倍しかなく、密度はR136a1の方が圧倒的に高いそうです。

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南米チリにある欧州南天天文台が撮影したタランチュラ星雲。巨大恒星R136a1が発見されたのは、最も拡大した右の写真の右下の明るい領域。
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星は活動が激しいほど燃料である水素を早く消耗してしまうので寿命が短くなります。
このため、R136a1も誕生してから100万年経過した間にかなり水素を燃焼して質量が減っているわけです。
私たちの太陽の寿命は100億年と言われ、現在、寿命の半分、50億年ほど経った時期にありますが、R136a1の寿命はあと100万年ほどと推測されており、普通、太陽の質量の8倍以上の星は寿命の終わりに大爆発(超新星と呼ばれる)を起こしてブラックホールになったりしますけど、R136a1はあまりにも質量が大きいので最後は大爆発して何も残らないと考えられているとか。

ちなみに、これまでは恒星の質量は最大で太陽の150倍程度と考えられていたため、今回の発見によって恒星の形成や寿命の終わりの姿などに新たな問題を投げかけることになります。


スピリチュアル・エピソード  [不思議ワールド]

Metamorphose Planetでは、主にLoby-Mの好きなSF関連の話題を取り上げるつもりですが、SFでなくとも興味深い話題であれば暫時取り上げていくつもりです。

さて、Metamorphose Planetをオープンするにあたって、最初に取り上げるエピソードは、SFとは全然関係のない、スピリチュアルなエピソードです。
紹介するのは二つのエピソードで、どちらもLoby-Mの身近で起きたことです。


その一


それはLobyーMが多感で複雑な年齢の時期のこと。
歳は... 十代。
すでに家計を助けるためにアルバイトをしていました。
それも肉体的にかなりハードな仕事を。
近くに親しい友人もおらず、周りは大人ばかりの環境...

小さい頃より空想するのが好きだったLobyーMはそのような環境の中で相談する同年代の友人もなく、一人孤独を感じ、さらに空想をするようになっていたのでしょう。 
おまけに思春期で新陳代謝は激しく性ホルモンもドバーっと溺れるほど生産される時期。
精神的、情操的にも不安定だったのか、毎日毎日めくるめくようなとても鋭い感受性、センシビリティ(同じ意味?)の中におぼれるように過ごしていました。

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そんなある日...

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