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新型ビジネスジェット レガシー 500 [サイエンス]

エンブラエル レガシー500

エンブラエルが6年の歳月と7億5千万ドルをかけて開発した新型ビジネスジェット、Legacy500が先週、初フライトを無事成功させました。 エンブラエルと言っても知らない人も多いと思いますが、売上高85億ドル(約6400億円)を誇る、世界第3位[ぴかぴか(新しい)]の航空機メーカーです。


エンブラエルの最新型ビジネスジェット レガシー500 (ファーストフライト) legacy-500ff.jpg

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世界最高の性能をもつレスキューロボット「T-52援竜」 [サイエンス]

 日本が世界に誇るものは、マンガ、和食、自動車、エレクトロニクス、カメラ、等々 色々ありますが、ロボット技術でも日本は世界の最先端を行っているということをご存知でしたか?

ロボットと言えば、すぐ思い浮かぶのが「鉄腕アトム」とか「鉄人28号」(世代が分かりますね[たらーっ(汗)])、または(付け足しのように...)「イヴの時間」のサミィとかゼオライマー、ガンダムetc、etc などのマンガで有名なヒューマノイド(人間型)ロボットですが、ロボットといっても様々なものがあり、組立工場などで活躍する産業用ロボットからアイボやQRIOなどのペット型、もしくはヒューマノイドロボットまであります。   

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産業用ロボットに関しては、もちろん日本は需要&生産とも世界トップです。
ちなみに、日本は世界の工業用ロボット生産量の70パーセントを生産しており、また世界で使用されている工業用ロボットの60パーセントは日本で活動しています。(資料:JETRO 日本のロボット産業の動向

ロボットと言えば誰でもすぐにヒューマノイド-人間と似た形状をした-ロボットを想像しますが、ロボットの定規は”人の代わりに作業を行う装置や人や動物のような機械”なので、必ずしもヒューマノイドでなくてもいいわけですね。 ただし、日本で生産されるロボットの中で”人や動物”に似た形状の”機械”を含む非産業用ロボットは、全体のわずか1パーセント。残りのというか、生産されるロボットのほぼすべて(99%)が産業用ロボットだそうです(地域産業調査・ロボット産業2007年データより)。

 

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  非産業用ロボットと言えば、警備ロボットとか、受付ロボットとかお掃除ロボットとかがあるようですが、それらの中で大きな注目を集めつつあるのがレスキューロボットです。これは地震や水害などの災害が起こった際に被災した人間を救助することを目的として設計されたロボットですが、阪神・淡路大震災をきっかけに、ロボットによる被災者救助が真剣に考えられるようになり、レスキューロボットの開発が始められました。

災害地での救助活動を行う(または補助する)レスキューロボットは、その他のロボットに比べ歴史は浅く、日本の場合は2000年初頭頃から本格的に開発が始まったようですが、浅い歴史にもかかわらず、実用性の高い優れたレスキューロボットがすでに生産され、すでに災害現場で活躍しているのです。 その名はテムザック社の「T-52援竜」。

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  2004年に開発されたもので、全長3.5m、重量5トンの自動走行能力をもつ大型のロボットで、6メートルの長さのアームを2本持ち、7つの内蔵カメラで作業を監視しながら、片腕で500キロ、両腕で1トンもの重さを持ち上げることができ、なおかつ細かい作業もOK。操作は人が乗り込んで直接操作する方法と、遠隔操作の2方法があるので、近づくのが危険な災害現場などの場合でも、操作員にとって危険のない場所(最大400m)から操作装置に映しだされる画像を見ながら操作できるというメリットがあります。さらにカメラは夜間でも遠くを撮影できるCCDカメラであり、暗い中でもライトで照らし、障害物の奥に閉じ込められている要救助者を発見できます。

中越沖地震で被害を受けた地域で瓦礫の撤去作業を行う「T-52援竜」 enryu-02.jpg

全国消防救助技術大会における援竜のデモンストレーション動画


 
援竜の遠隔操作デモンストレーション動画


「T-52援竜」は、2本アームがあるため、一本で瓦礫を持ち上げて支えながら、もう一本で救助者を救出するというようなこともできるほか、救急車両が通れるように瓦礫を取り除いて道を造ったりすることも出来ます。
援竜は、テムザック社が北九州消防局と消防研究所の協力を得て開発されたものですが、その背景には”災害現場では年間2000人近くの消防隊員が死傷している。また、どんなに訓練された隊員でも危険と直面する被災地では最高20分しか救助作業を行えない”という、実際に救助現場で救出作業にあたる消防隊の抱える深刻な問題を解決 or 軽減する目的があったそうです。

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株式会社テムザックの紹介サイト:人とロボットの安全で快適な共存社会を創出する―株式会社テムザック

 
  現在のところ、援竜が実際に配置されているのは北九州市の戸畑消防署だけだそうですが、今回の福島原発の事故などを見て、世界に誇るロボット技術をもっている日本は、もっと真剣にこの最先端技術を救援・リスク作業等にいつでも投入できるように体制を整えるべきだと思います。
残念なのは、日本の企業はロボットに関しては最先端のアイデアと技術をもちながら、実現化に必要な開発費(莫大な資金が必要)の不足という問題に直面しているということです。信じられないようなことですが、日本では”実績のない未知の(化学開発)領域に対しては、「前例がない」と開発費の援助を(政府関連官庁)から拒否される”というのです。ちなみに、テムザック社の援竜はすでに外国も大きな注目をしており、シンガポール、デンマーク、英国などが共同研究・開発の提携や現地法人設立などの形で資金援助をしているそうですが、日本政府がぐずぐずしていると貴重な最先端技術は外国に移転してしまいかねません。

 


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