44光年の距離にあるスーパーアース [宇宙のロマン]

ハートフォードシャー大学(英国)とゲッチンゲン大学(ドイツ)の共同研究チームは、地球から44光年離れたHD 40307星の隣に生命が存在する潜在的可能性のある惑星を発見した。

HD 40307を周回する巨大地球型惑星の想像図
  HD 40307星
Credit:J.Pinfield/Hertfordshire Univeesity


同研究チームは、ヨーロッパ南天天文台 (ESO) が南米チリで2003年から運用している太陽系外惑星の観測装置「HARPS」(High Accuracy Radial Velocity Planet Searcher=高精度視線速度系外惑星探査装置)を使用して発見したもので、このESOの分光器は世界最先端のもので3.6m望遠鏡に設置されている。

チリのラ・シヤ天文台にあるESOの天体望遠鏡群
ESO.jpg


                  3.6m望遠鏡に設置されているHARPS

分光器


 

主星HD 40307は画架座の方向にあるK型恒星(太陽の70%ほどの質量)で、現在までに大型惑星があることが判っていたが、いずれもHD 40307から近すぎるため生命の存在に不可欠な液体の状態での水はないと考えられていた。

今回、前述の共同研究チームは新たなデーター解析方法(注:ドップラー法)を用いて、さらに3つの新しい惑星が主星の周りを回っていることを発見。 その中でHD 40307gと名付けられた惑星は、中心の恒星からの距離が0.6天文単位で公転周期が200日と長く、自転による昼夜が存在するだろうと推測されています。つまり、大気が均一に加熱されることで温暖な気候が維持され、適度な気温であるため液体状態の水が存在する可能性が高い- 生命が存在できるハビタブルゾーンにあると推測されている。

HD 40307g Earth


1995年にスイス・ジュネーブ大学のMichel MayorとDidier Quelozによって、初めて系外惑星が発見されて以来、系外惑星の数は年々増え続け、現在はおよそ300個が知られているが、そのほとんどが木星や土星のような巨大ガス惑星。

 

しかし近年の観測機器の発達&高精度化にともない、質量が地球の数倍程度の小さな惑星(木星の質量は地球の約318倍)が発見されるようになった。質量が地球より大きく、天王星や海王星(質量は地球の15倍程度)より小さな系外惑星は、「スーパー・アース(大きな地球型惑星)」と呼ばれている。

今回発見されたHD 40307の新たな3惑星は、いずれも地球の質量の10倍ほど、そして地球からわずか40光年ほどという近距離(宇宙的スケールで言えば近距離)という点が注目に値する。




今後さらに高性能の観測装置が開発され研究が続くと、太陽系にさらに近い距離に地球程度の系外惑星が発見する可能性も出てくるだろう。

 



      

      

       


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