20億個の地球 [宇宙のロマン]

宇宙にはときたま我々の想像を絶するような事象や現象がおきます。 

3月23日にNASAが発表したMWC922星雲がまさしくそれで、なんと四角い形状をしています。 


レッドスクエア星雲と呼ばれるMWC922 
sikaku.jpeg


  なんとも摩訶不思議な形状をした星雲ですが、この形状のため「レッドスクエア星雲」と呼ばれているMWC922は2007年に発見されたもので、2007年の4月に発見が発表されています。今回の写真はパロマ山にあるヘール望遠鏡とハワイのマウナケア山にあるケック天文台の2号望遠鏡で赤外線撮影されたものを合成したものです(そのため赤色に写っている)。MWC922星雲がなぜ、このような形状をしているかという理由について、現在のところ考えられている仮説は、同星雲の中心部分にある恒星、または恒星群が進化の最終段階に円錐状にガスを放出しているというものだそうですが、天文学者でなくても頭をひねりたくなる不思議な星雲ですね。 


  パロマー山天文台のヘール望遠鏡
hare.jpg


 ハワイのマウナケア山頂にあるケック望遠鏡 
keck2.jpg


 もう一つのビッグニュースは、銀河宇宙には約20億の地球型惑星がある(らしい)という発表がされたことです。これはケプラー宇宙望遠鏡が得たデーターが今年2月に発表されたのをベースに米国のJPL(ジェット推進研究所)の専門家たちによって解析・研究され、その結果が今回発表されたものですが、それによると太陽系が属するわれわれの天の川銀河の中にある太陽型恒星のうち、1,4 ~ 2,7パーセントが地球の大きさの0、8倍から2倍の大きさの惑星をもっているとの推測をしています。 


      欧州宇宙機関の打ち上げた宇宙望遠鏡で初めて発見された地球型系外惑星CoRoT-7bの想像図 
terras.jpeg


 そしてその多くはハビタブルゾーン(生命居住可能領域)にあり、生命の発生・進化に不可欠な水が存在すると考えられています。JPLの発表は科学者たちに大きな希望をあたえました。NASA(北米宇宙局)の研究チームのチーフであるJosé Catanzarite博士は、「天の川銀河に地球型の惑星がこのように多くあるということは、その中には生命が存在する惑星がある可能性が極めて大きくなる、いや、中には知的生命が存在するものもあるかも知れない」と語っています。 

 距 離 

しかしながら、我々の太陽系にもっとも近い距離にある太陽型恒星100個(いずれも数十光年単位の距離)のうち、地球型惑星をかかえていると推測される星はわずか二つだけ。 

 しかし、最近、天文・天体物理学の専門誌であるアストロフィジカルジャーナルに記載された論文によれば、太陽系”近隣”に存在する二重星の数は(今後調査が進むにつれて)さらに増える可能性があると予測しているとか(この意味はよく分かりませんが、二重星の方が地球型惑星を多くともなっているということでしょうね...)。 


           太陽系外惑星に威力を発揮するケプラー宇宙望遠鏡
kepler-telescope.jpg


Catanzarite博士は、赤色巨星などの種類の星も地球型惑星をもっている可能性があることを指摘しています。  
赤色巨星の場合は、この種の星は燃料と成る水素ガスをすでにほとんど燃やし尽くしているため、望遠鏡などによる発見はより困難になります。また、他の研究者たちは、ケプラー宇宙望遠鏡のように主星の輝きの変化から地球型惑星の存在をキャッチするのではなく、重力の変化から地球型惑星を発見しようと調査を進めています。 

どちらにせよ、銀河の中に存在する赤色巨星の数は太陽型恒星の数よりずっと多いため、地球型惑星の数はさらに増えることになりそうです。 

 天の川銀河だけで20億個もの地球型惑星があるとして、宇宙には約500億~1000億もの銀河があると考えられていますので、単純計算でも1兆~20兆の地球型惑星が宇宙にあることになります。そして、この中には必ず高等知的生命が存在する地球型惑星が何十億とあることでしょう。

私たちは”孤独な地球人”ではないのです。

messenger_earth_lrg.jpg

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コメント 3

Loby-M

≫まるさん、ご訪問&nice!あありがとうございます。

≫じゅりあんさん、ご訪問&nice!あありがとうございます。

≫ねじまき鳥さん、ご訪問&nice!あありがとうございます。


by Loby-M (2011-04-01 11:05) 

春分

いつか、多くの小説に書かれたように、地球外の知性との交流
が始まるのでしょうかね。
それが2012年なのかは、興味あるところですが、
そうじゃなくても、どんな形でなのか、興味深いです。
by 春分 (2011-06-04 12:09) 

Loby-M

≫春分さん、地球外生物との交流は、相手側がよほど進んだ科学技術をもってないと距離の問題でムリではないかと思います。
ワープ飛行とか、光速以上のスピードの交信方法とかはあと何世紀かかるかわかりません(実現すればの話ですが)ものね。

≫あいから5drrさん、ご訪問&nice!ありがとうございます。

≫つなしさん、ご訪問&nice!ありがとうございます。
by Loby-M (2011-06-06 08:27) 

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