銀河鉄道 999 [日本のSF作品]

  銀河鉄道と聞いて、すぐに『銀河鉄道999』を思い浮かべた人も多いと思います。 

それほどこの松本零士のSF漫画は有名です。 
ということで銀河鉄道ついでに今回は『銀河鉄道999』特集です。 
同作品は1977年~1981年にかけて「少年キング」(通称アンドロメダ編)に掲載されたSF漫画です(注:1996年からの新作は通称“エターナル編”と呼ばれている)。

宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を読んだ、または劇場用作品を観た方はすぐに『銀河鉄道の夜』と『銀河鉄道999』の類似性に気がつくように、『銀河鉄道999』は『銀河鉄道の夜』をベースとしていますが似ているのは銀河宇宙を列車で旅行するというアイデアだけで、ストリーはまったく独自のものです。


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銀河超特急999号のモデルとなったC62蒸気機関車
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ちなみに、銀河鉄道株式会社が運行する銀河超特急999号は、黄泉の国へと乗客を運ぶだけの”平和的”(?)な『銀河鉄道の夜』の軽鉄道の牽引車とはちがい、スペースオペラに耐ええる(?)スペックをもっています。すごいですね[がく~(落胆した顔)]


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主な登場人物たち


星野鉄郎 [次項有]永遠の命に憧れ、機械の体を無料で貰えるという終着駅の星を目指してメーテルと共に999号で旅をする主人公の少年。地球生まれ。年齢は10歳~15歳(?) 好奇心旺盛で、それがもとで事件に巻き込まれることも少なくない。永遠に生きれる機械化人間になることを夢見てメーテルの誘いにのり銀河超特急999号に乗り込む。

メーテル [次項有] 星野鉄郎を999号での旅へと導く謎の美女。機械帝国の女王プロメシュームの命令により機械化惑星を強化する部品にするべく、意思強固な青少年たちを女王のもとへ連れて行く... 落ち着いた大人の女性といった感じだが、勇気がないのに虚栄を張っている者、傲慢な者、生命を軽視する者などには容赦なく怒りを表す。
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車掌 [次項有]999号の車掌であり、銀河鉄道株式会社の職員。10万以上ある銀河鉄道規則を丸暗記している(ロボットか?)。鉄郎から「くそまじめ」と言われるように真面目。乗客には敬称をつけ敬語で話す。腰が低く優柔不断なところがあり、争いごとを好まない。999号:機械だが人工頭脳をもっており、ときにエピソードの中で重要な役割を果たすので取り上げます。人工頭脳により乗客や車掌、銀河鉄道の指令とも会話可能なほか、メーテルらには「機関車さん」と呼ばれる。人工頭脳がトラブルを起こした際には、石炭(知力燃料?またはウラン燃料)をボイラールームにくべて動力機関を発動させます。
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あらすじ

  999号が発着する地球メガロポリス・ステーションを中心とした超近代的な大都会とは、全く対照的にスラム化したダウンタウンに住む星野鉄郎は、銀河鉄道全線の定期券を盗んで機械人間のポリスに追われていた。その鉄郎を母そっくりな謎の女性メーテルが救った。五年前、鉄郎が十歳の頃、機械伯爵の率いる人間狩りの一団に母親が殺された。地球の金持ち人間たちは、競って機械人間の体を買い、千年の寿命を得ていたが、貧しい人たちはそれも出来ず、次々と殺されていくだけだった。
鉄郎は母の形見のペンダントを胸に、アンドロメダに行って永遠の命をもらい、機械伯爵へ復讐を誓っていた。鉄郎はメーテルと共に、銀河鉄道999号に乗って旅に出た。最初の停車駅、土星の衛星の一つタイタンで、メーテルは胸を撃たれ連れ去られ、鉄郎は危ういところを、不思議な老女に救われる。メーテルを連れ去った山賊の首領アンタレスは、数少ない生身の人間で、鉄郎が機械人間ではなく、しかも親の仇である機械伯爵を討とうと知って、同志としてメーテルを返してくれた。
鉄郎は、アンタレスから、機械伯爵の住む時間城の場所を女海賊エメラルダスが知っていると聞き、老女の息子トチローの持っていた銃を抱いて、メーテルと共に、再び999号に乗って旅に出た。暫くして、999号にクィーン・エメラルダス号が接近してきた。そして、時間城の現在位置が、トレーダー分岐点であることを告げると、エメラルダスは再び飛び立っていった。トレーダー分岐点、それは999号の次の停車駅。人間や機械人間の吹きだまりの絶望の街だ。鉄郎は酒場の親父から、トチローの居場所を聞いて会いに行く。トチローは機械伯爵と果敢に戦っていたが、力尽きて、すべてを鉄郎に託すと、生命体となって宇宙に消えた。
暫くして機械伯爵の放った無法者に襲われ、苦闘していた鉄郎は、トチローの友人キャプテン・ハーロックに救われる。なんとか時間城に潜入した鉄郎は、人間に郷愁を感じ仲間になった伯爵の女、リューズの助けと、応援に来たアンタレスと共に戦った。体の中に無数の不発弾を埋めこんでいるアンタレスが、胸を撃たれ、そのショックで不発弾が誘発して、そのうちの一つが機械伯爵の肩を砕いた。そして、鉄郎は命乞いする伯爵の頭に銃弾を浴びせ、遂に両親の仇を討った。そのとき鉄郎は、機械の体を人間に与えるアンドロメダ星の破壊を考えた。その星さえなければ、人間は人間らしく生きられると考えたからだ。
キャプテン・ハーロック、エメラルダスに見送られ、鉄郎はメーテルと共に、999号でさらなる旅に向かった。しかし、メーテルの表情はなぜか暗い。16歳になった鉄郎は、メーテル、999号の車掌、クリスタルガラスの体をもったウエートレス、クレアと誕生日を祝った。やがて、数々の戦艦に迎えられて、999号はアンドロメダに着いた。そこで待っていたのは、アンドロメダを支配する女王プロメシュームだ。そして、メーテルは何と、女王の娘だった。裏切られた気持で無念の鉄郎。部品にされるべく、手術室に運ばれる鉄郎。しかし、ハーロックとエメラルダスの砲撃がアンドロメダを揺るがせた。   

           アルカディア号とキャプテン・ハーロック 
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クィーン・エメラルダス号(宇宙海賊船)
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   一方メーテルも、鉄郎を救出しに手術室へ入った。鉄郎と母親の板ばさみで苦しむメーテル。鉄郎はメーテルの父の生命体の入ったペンダントを投げつけた。爆発するアンドロメダを後に、鉄郎とメーテルは999号に飛び乗った。窓から爆発するアンドロメダを見てホッとする鉄郎の首を、突然現らわれたプロメシュームが締め上げた。苦しむ鉄郎。しかし、プロメシュームに抱きついたクレアが自爆して、女王と共に砕け散った。999号が地球に着いた。そして鉄郎は、再び旅に出るメーテルをいつまでも見送り続けていた。 (以上Goo映画銀河鉄道999(1979)より引用)


銀河鉄道ゴダイゴ-リメイク版
  


銀河鉄道遥かなり
  


 松本零士作品では、ほかに『男おいどん』と『宇宙戦艦ヤマト』が有名ですが、『おいどん』はSFではないので差し置くとして、『宇宙戦艦』についてはあらためて取り上げたいと思います。ところで、知っているものは知っている、知らないものは知らないことですが、松本零士さんの奥さんは同じ漫画家の牧美也子さんですが、松本零士漫画の女性キャラは牧美也子さんと結婚後にガラっと一変したのを知っていますか? それまでは松本風スタイルの女性キャラだったのです。結婚後おそらく牧美也子さんが女性キャラを描き始めたためだと思いますけど、いかにも少女漫画家である美也子さんの美しいペンタッチの女性が松本漫画に出演(?)し始めて作品はますます完璧になりました。興味深いことですね。


                                           松本零士氏
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タグ:銀河鉄道999
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私が三人目

松本先生は戦時中に私の地元のご親戚に疎開されていたそうですよ。 昔のマンガに地元の山の名前が出てきます(^^)
by 私が三人目 (2010-09-20 13:02) 

perseus

こんにちは。
これは何とも懐かしいマンガですね。
大好きで大好きで、食い入るようにTVにかじりついて
いました。
メーテルの素性、鉄郎の目的などが改めて分かったのは
目からうろこ状態です^^
by perseus (2010-09-20 15:48) 

sorasora

テレビを見たことはないのですが
メーテルだけは有名ですね!

by sorasora (2010-09-20 22:25) 

Loby-M

≫私が三人目だん、えっ、それはスゴイですね!松本先生にとっても忘れられない歴史の1ページになったわけですね^^b

≫perseusさん、なんといっても松本マンガはスマートですからね^^ 
それにストリーが抜群にいいし、スケールも壮大だし、誰でも大ファンになりますよね!

≫sorasoraさん、銀河鉄道999もめーテルもたいへん有名ですね。
松本マンガの女性キャラの美しさは牧美也子さんの華麗なペンタッチの結晶ですね^^

≫MDISATOHさん、ご訪問&nice!ありがとうございます。

≫SORIさん、ご訪問&nice!ありがとうございます。

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by Loby-M (2010-09-21 10:26) 

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