太陽の1000万倍の明るさの巨大恒星 [宇宙のロマン]

 宇宙の神秘については、観測手段が進化・向上するにしたがって次々に新しい発見、データーが得られていますが、今回、欧州南天天文台(ESO)が発表したのは、観測史上最大の巨大恒星で質量はなんと太陽の265倍!

南米チリにあるESOの望遠鏡VLTで、天の川銀河の隣にある大マゼラン雲のタランチュラ星雲を観測中に発見されたもので、地球から16万5千光年の距離にある若い星団内に、太陽の数百万倍の明るさを放つ星が複数見つかっているそうです。

今回の発見は南米チリのアタカマ砂漠にあるVery Large Telescope (超大型望遠鏡VLT)の観測によって得られた。
Very Large Telescope (VLT).jpg

それらの星の中でもっとも明るいのが太陽の265倍の質量をもち、1000万倍の明るさをもつ恒星で、R136a1と名付けられたこの星は約100万年前に誕生したときはなんと太陽の320倍の質量があったと推測されています。
R136a1の大きさは太陽の数十倍で、大きさだけなら、オリオン座のベテルギウスの赤色超巨星は太陽の大きさの1千倍ほどあるけど、重さは数十倍しかなく、密度はR136a1の方が圧倒的に高いそうです。

R136a1.jpg


南米チリにある欧州南天天文台が撮影したタランチュラ星雲。巨大恒星R136a1が発見されたのは、最も拡大した右の写真の右下の明るい領域。
Mazeran-eso1030a.jpg


星は活動が激しいほど燃料である水素を早く消耗してしまうので寿命が短くなります。
このため、R136a1も誕生してから100万年経過した間にかなり水素を燃焼して質量が減っているわけです。
私たちの太陽の寿命は100億年と言われ、現在、寿命の半分、50億年ほど経った時期にありますが、R136a1の寿命はあと100万年ほどと推測されており、普通、太陽の質量の8倍以上の星は寿命の終わりに大爆発(超新星と呼ばれる)を起こしてブラックホールになったりしますけど、R136a1はあまりにも質量が大きいので最後は大爆発して何も残らないと考えられているとか。

ちなみに、これまでは恒星の質量は最大で太陽の150倍程度と考えられていたため、今回の発見によって恒星の形成や寿命の終わりの姿などに新たな問題を投げかけることになります。


nice!(5)  コメント(3)  トラックバック(0) 

nice! 5

コメント 3

perseus

こんばんは。
今回はこちらにコメさせていただきます。
天体などの宇宙関連には浪漫がありますね。
私もよくNewtonなどの雑誌で『ヘ~』『ホ~』
など言いつつ楽しむことも。。
面白い内容ですね!!理系人間にはたまりませんね^^
by perseus (2010-07-25 01:17) 

y-tanaka

お邪魔します、 いろいろとやられてるんですね、
私は写真アップするだけでアップ、アップです。
by y-tanaka (2010-07-25 05:36) 

Loby-M

≫perseusさん、こんばんは。
 ご訪問ありがとうございます。
 ニュートンですか。いい雑誌ですね^^b
 私は以前はクォークという雑誌を講読していました。
 廃刊になって久しいですけどいい雑誌でした。
 
≫y-tanakaさん、こんなこと(スキン作り)するのがすきんなのですよ。
 下手の横好きと呼ぶようです(汗)
 y-tanakaさんの作品はプロの領域だといつも思っています^^b


by Loby-M (2010-07-25 11:59) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。